ストレスが人の命を奪う

ストレスに殺される──現代の日本は、その危険が非常に高い状況と言えるでしょう。
もちろん、一昔前もストレスが原因で心が疲弊し、身体を壊すということはありました。
しかし当時は、頑張れば報われる、耐えれば幸せになれるという希望が心を支えてくれて、大きな問題になっていなかったかもしれません。
一方、今の日本に目を向けると、人を死に至らしめる存在として注視されているのです。

自殺者数は平成10年に3万人を超えました。平成15年にピークを迎え、だんだん右肩下がりになっています。
確かに数は減っていますが、それに比例してストレスが減っているとは考えられません。
原因は挙げればきりがありませんが、現代はネットによる情報過多でますますストレスフルな生活を強いられるようになったと言えるでしょう。

一つひとつの負担は小さくても、それが複数集まると死に至る病気にかかる危険がぐっと高まります。
キラーストレスという言葉の登場は、現代への警鐘なのかもしれません。
大きな病気にかかる前に、ストレスを上手くコントロールする必要があるのです。

情報オーバーロードの脅威

ネットの発達で情報が溢れ、"繋がり過ぎる" 世の中になり、常にスマホとにらめっこしている人もいるでしょう。
友達の近況から世界のニュースまで、幅広くネットに依存してしまっている人がほとんどかもしれません。
ネットからの情報は知識を増やしてくれますが、同時に多くのストレスを抱えることにもなります。

情報オーバーロード──
これは、情報過多によって必要な情報が埋もれてしまう状態のことです。
見なくてもいい芸能ニュースを見てしまう、SNSを見て友達と自分を比べてしまう……
ネットで多くの情報に触れても、本当に必要なものはその中のほんの一握りのはず。
余計な情報を頭に入れてしまうと、それが過剰なストレスになってしまうことが問題です。

自由な情報発信ができ、それを共有し、感動を分かち合う。ネットが発達したこの世の中は素晴らしいと思います。
しかし、あまりにも多くの不要な情報も無自覚の内に受け取っているのではないでしょうか。
余計なストレスを溜め込まないためにも、情報を取捨選択する勇気を持つ必要があるのです。

ストレス反応の仕組みとは?

ここでは、ストレス反応の仕組みを解説していきたいと思います。

まず、ストレスという言葉は、元々は工学や物理学で使う用語です。
世の中には様々な "刺激" がありますが、これを「ストレッサー」と呼びます。
例えば、ゴムボールを指で押すとへこみますよね。
この指が「ストレッサー」で、へこみが「ストレス(ストレス反応)」なのです。

先ほどの例のゴムボールを人間の心や精神に置き換えてみましょう。
ストレッサーとなり得るものは無数にあります。
大別すると、騒音や気温、薬物などの「物理的・科学的ストレス」、過労や睡眠不足、老化などの「生理的ストレス」、人間関係や挫折、欲求不満などの「心理的・社会的ストレス」の3つ。(結婚や昇進などのポジティブな出来事もストレッサー)
これらのストレッサーが人の精神に負荷をかけて「ストレス」になり、それによって起こる精神や肉体の反応が「ストレス反応」と呼ばれるもの。
例に挙げると、頭痛や肩こり、不安、イライラなど、とてもたくさんの反応があります。

ストレス反応なんてなくていいのに、思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実は私たちの身体を守る役割があるのです。
例えば、緊張というストレス反応が起きた場合、血圧を上げて血中の栄養を脳にたくさん届けてくれます。
とはいえ、過剰なストレスは心身ともに悪影響が出るのも事実。適度に解消することが大切です。